統計調査
タクシー運転者の賃金・労働時間の現況(平成19年)
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2008.07.29
平成19年タクシー運転者(男)賃金年間推計額約342万円
―対前年比プラス4.2%約14万円の増―
全乗連では、厚生労働省が毎年実施している「賃金構造基本統計調査」の平成19年の結果に基づき、「タクシー運転者の賃金・労働時間の現況」をとりまとめた。
平成19年のタクシー運転者(男)の賃金の年間推計額は、前年に比べ4.2%、13万6,800円増の342万5,700円となり、昨年に引き続き増加した。
一方、全産業男性労働者の年間推計額は、前年比0.1%、7,400円減の554万7,200円となった。
この結果、タクシー運転者(男)と全産業男性労働者との格差は、212万1,500円となり、前年の226万5,700円から14万4,200円格差が狭まった。
タクシー運転者(男)の年間推計額を都道府県別にみると、前年に比べ増加した都道府県は26都道府県(昨年は26都府県)、減少した都道府県は21県(昨年は21道府県)であった。
年間推計額400万円台は東京都と愛知県の2都県で、300万円台が10府県、200万円台は31道県、100万円台が4県となっており、各階層別にみると、前年に比べ400万円台で同数、300万台で1府増の3県減、200万円台では1県増の1府減、100万円台では2県減となった。
平成19年6月度のタクシー運転者(男)労働時間は、202時間で、昨年に比べて1時間増加した。
(注)このタクシー運転者賃金・労働時間については、厚生労働省が毎年6月度の賃金について 実施している「賃金構造基本統計調査」の平成19年分の調査結果から、全タク連事務局 で参考資料としてとりまとめたものであり、用語の意味は以下の通りである。
1 「月間給与」とは、6月分について、あらかじめ定められた支給条件により支給され た「きまって支給する現金給与額」をいい、通勤手当、超過労働手当等を含む。
「所定内給与」とは、「月間給与」のうち超過労働手当以外のものをいう。
「年間賞与」は平成18年1月〜12月の間に支給された賞与・期末手当等の特別給与をい う。
「年間給与」は「月間給与」を12倍したものをいう。
「年間推計額」は〔月間給与×12+年間賞与〕により算出したものをいう。
2 「月間労働時間」とは、平成!9年6月の所定内実労働時間数と所定外実労働時間数を 合計した月間総実労働時間をいう。
「年間労働時間」とは、「月間労働時間」を12倍したものをいう。
〔タクシー運転者(男)〕
1 平成19年6月度の月間給与(超過勤務手当等を含む)の平均は、26万4,700円で、前年に比較 して1万1,700円、4.6%増加した。
2 平成18年1月から12月までに支払われた賞与・期末手当等の年間賞与の平均は、24万9,300 円で、前年に比べ3,600円、1.4%減少した。
3 この結果、平成19年6月度の月間給与から年間給与を推計し、これに平成18年中に支払わ れた年間賞与を加えた年間推計額は、342万5,700円で、前年に比べ13万6,800円、4.1%増加 をした。
4 平成19年6月度の実労働時間の平均は202時間で、前年に比べ1時間増加している。内訳は、 所定内労働時間が170時間(前年より2時間減)、所定外労働時間が32時間(前年より3時間増) である。
〔全産業男牲労働者〕
1 平成19年6月度の月間給与(超過勤務手当等を含む)の平均は、37万2,400円で、前年に比較 し300円、0.1%減少した。
2 平成18年1月から12月までに支払われた賞与・期末手当等の年間賞与の平均は、107万8,40 0円で、前年に比べ3,800円、0.1%減少した。
3 平成19年6月度の月間給与から年間給与を推計し、これに平成18年中に支払われた年間賞 与を加えた年間推計額は、554万7,200円で、前年に比べ7,400円、0.1%減少をした。
4 平成19年6月度の実労働時間の平均は184時間と前年に比べ、1時間減少した。
内訳は、所定内労働時間が167時間(前年より1時間減)、所定外労働時間が17時間(前年と同 じ)となっている。
〔タクシー運転者(男)と全産業男牲労働者との比較〕
1 平成19年6月度の月間給与について比較すると、タクシー運転者(男)は全産業男労働者の7 1.1%となり、前年の67.9%から格差は狭まった。実額差は、10万7,700円(前年11万9,700円) である。
2 平成18年中に支給された年間賞与について比較すると、タクシー運転者(男)のそれは全産 業男性労働者の23.1%であり、4分の1にも満たない。実額の差は、82万9,100円(前年82万9,3 00円)である。
3 年間推計額で比較すると、タクシー運転者(男)は、全産業男性労働者の61.8%であり、前 年の59.2%に比べ2.6ポイント上昇した。実額の差は、212方1,500円と、前年の226万5,700円 より格差が狭まった。
4 平成19年6月度の労働時間について比較すると、タクシー運転者(男)は全産業男性労働者 より18時間長くなっており、前年の16時間に比べて差は2時間広がった。内訳は、所定内労 働時間の差3時間、所定外労働時間の差15時間となっている。
〔タクシー運転者(男)と製造業生産男性労働者との比較〕
製造業生産男性労働者(製造業の生産ラインで働く男性労働者)の年間推計額は、479万3,10 0円であり、タクシー運転者(男)のそれは製造業生産男性労働者の71.5%(前年68.1%)と、額にして136万7,400円(前年153万8,900円)の差がある。
〔タクシー、トラック、バス運転者(男)の賃金・労働時間〕
各運転者の賃金を年間推計額で見ると、営業用大型貨物自動車運転者が最も高く445万4,70 0円、次いで営業用バス運転者の420万7,000円、営業用普通・小型貨物自動車運転者の405万 4,400円、タクシー運転者の342万5,700円の順となっている。
〔タクシー運転者(女)の賃金・労働時閲〕
タクシー運転者(女)の年間推計額は、315万8,100円で、全産業女性労働者(346万8,800円)に比べ31万700円下回っているが、製造業生産女性労働者(257万3,700円)を上回っている。